ファミリーカーとして子育て世代に人気のミニバン。しかし、購入後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔する声も少なくありません。
この記事では、これまで4台のミニバンを所有してきた筆者の経験も踏まえ、ミニバンの購入で後悔しがちなポイントと後悔しないための賢い選び方を徹底解説します。

ミニバンのメリットも解説していますので、購入に悩まれている方だけでなく、後悔している方の不安解消にもなればと思います
- ミニバン購入で後悔しがちなポイント
- 後悔しないためのミニバン選びのコツ
- ミニバンのメリット・デメリットを徹底比較
- ミニバン以外にも選択肢があること
ミニバンを購入して後悔しないために

ミニバン購入者が後悔している中で特に多いのが「燃費」「運転の快適性」「維持費」の3つです。
この3つについて、後悔してしまう要因を解説します。
燃費の問題
ミニバンは車体の大きさや重量、ボックス形状による空力性能の悪さから燃費が悪くなりがちです。
特に子育て世代は、送迎や買い物など街乗りがメインとなる場合が多く、発進と停止を繰り返すことで燃費が悪くなることから、「ミニバンは燃費が悪い」と感じる方が多いようです。
燃費は、パワートレイン(ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド)や駆動方式(FF、4WD)、車の重量や空気抵抗など、車種や使用状況など様々な条件によって変わります。
最近では、ハイブリッド技術が進化したことで、昔に比べると燃費性能が向上したモデルも増えていますが、カタログ値でもリッター20km前後と、コンパクトカーなどと比べると燃費が悪いことは否めません。
参考までに、2025年3月時点で発売されているミニバンのカタログ燃費とユーザーの口コミによる実燃費をまとめました。
車種 | パワートレイン | WLTCモード燃費(km/L) ※1 | 実燃費平均(km/L) ※2 |
---|---|---|---|
アルファード | ガソリン | 10.3〜10.6 | 8.0~9.0 |
ハイブリッド | 16.5〜18.9 | 13.0~14.5 | |
オデッセイ | ハイブリッド ※現行モデルはハイブリッドのみ | 19.6〜19.9 | 15.0~16.5 |
ノア/ヴォクシー | ガソリン | 15.0〜15.1 | 11.0~12.5 |
ハイブリッド | 23.0〜23.4 | 17.0~19.0 | |
ステップワゴン | ガソリン | 13.2〜13.9 | 10.5~12.0 |
ハイブリッド | 19.5〜20.0 | 15.0~17.0 | |
セレナ | ガソリン | 13.0~13.4 | 10.0~11.5 |
ハイブリッド | 18.4~20.6 | 14.0~16.0 | |
シエンタ | ガソリン | 18.3~18.4 | 14.0~15.5 |
ハイブリッド | 28.2~28.8 | 21.0~23.0 | |
フリード | ガソリン | 16.4~16.5 | 12.5~14.0 |
ハイブリッド | 25.3~25.6 | 18.0~20.0 |
※1 WLTCモード燃費は駆動方式:2WDの値です。
※2 Webサイトの口コミを参考にした平均値。使用状況により大きく変わるため、あくまでも参考値としてお考えください。
購入する際は、カタログ燃費だけではなく、実際に使用する条件での燃費(実燃費)も把握した上で検討することが重要です。

実燃費については、販売店に相談すると使用条件に合わせた目安を教えてくれます
運転の快適性(操作性)
ミニバンは車体が大きいため、狭い道や狭い駐車場では運転のしづらさを感じることがあります。また、居住性を確保するために背が高く作られているため、交差点で右左折する際やカーブでのロール(横揺れ)が大きくなる傾向があり、背の低い車に比べると安定性が低いです。
こうした取り回しや操作性の悪さから「ミニバンは乗り心地が悪い」「ミニバンは運転しにくい」と感じる方がいるようです。
軽自動車やコンパクトカーなどから乗り換える場合、車体が大幅に大きくなりますので、購入前に試乗をして運転感覚を確かめることをおすすめします。
不安な方は購入前には必ず試乗をして、運転スキルや好みに合った車種を選ぶようにしましょう!!

不安な点があれば、納得できるまで販売担当に相談してみましょう
維持費の高さ
維持費についても、車体が大きくなるため、自動車税、重量税、メンテンテナンス費用が軽自動車やコンパクトカーに比べると高くなる傾向があります。
自動車税は、排気量に応じて課税されるものですが、ミニバンは大きな車体を動かすため大きな排気量のエンジンが必要となります。そのため、自動車税も高めの税額となる傾向があります。
重量税は、車の重量やサイズが影響するため、こちらも、車体の大きなミニバンは高くなる傾向があります。
その他、任意保険代、車検代、タイヤなどの消耗品、部品修理など、軽自動車やコンパクトカーと比べると、全体的に高くなる傾向がある点も注意が必要です。
維持費は、購入後のカーライフにおいて大きな負担となる可能性があります。
これらの維持費を考慮し、無理のない予算計画を立てることが重要ですので、購入前を検討する際は、年間の維持費についても概算をしておきましょう。
その他の後悔ポイント
その他の後悔ポイントとしては、「ミニバンを購入したけれど3列目を使用しないので無駄に感じる」や「周りが同じ車種に乗っていて嫌だ」などの後悔を耳にすることがあります。購入前に、自分のライフスタイルや価値観にあっているかを慎重に検討し判断することが重要です。
また、車は10年という長い期間乗り続けるものですので、将来的な車の使い方も考慮しておくのも大切だと筆者は考えています。

我が家は、3人目の子供が生まれるまでミニバンではありませんでしたが、不便はなかったです
デメリットだけじゃない!ミニバンのメリットと選び方
ここまで、ミニバンの後悔ポイントを解説しましたが、ここからはミニバンのメリットについても解説していきます。

メリットも含め、購入検討の参考にしてください
メリット
広々とした室内空間
なんと言っても、ミニバンの最大の魅力は「広々とした室内空間」です。
ミニバンの多くは3列シートを備えているため、7人から8人といった多人数での乗車が可能です。
これは、家族での長距離ドライブや旅行、友人を乗せてお出かけなど大人数で移動するシーンで大きなメリットとなります。
普段は3列目シートを使用するほど人を乗せないという方でも、3列目は格納することができるため、格納すると大空間の荷室スペースを確保できるので、荷物をたくさん乗せる方にはメリットです。
子育て世代の方は、以下のシーンで広々とした室内空間がメリットになります!!
- ベビーカーやスーツケースなどかさばる荷物も縦に無理なく積める
- 背が高いので子供を立たせたまま着替えができる
- ドアの開口部が広いので子供をチャイルドシートに乗せるのが楽

公園で服が汚れた時、車で着替えるのが”楽ちん”なのは嬉しいポイントです
多彩なシートアレンジ
様々なライフスタイルに対応できるよう、多彩なシートアレンジ機能を備えた車種も多いです。
2列目シートがキャプテンシートと呼ばれる独立したシートを採用しているモデルもあり、ロングスライドさせることで、飛行機のファーストクラスのような広々空間でゆったりと過ごすこともできます。
また、8人乗り仕様の場合、2列目がベンチシートとなっているため、2列目のリクライニングを全て倒すことで、ベッドのようにして休憩することも可能です。
長距離ドライブの際、高速道路のサービスエリアや道の駅などで休憩するときに、シートアレンジで快適空間を作って休憩できるのはとても快適です!!

こっそり外に出て2列目シートで一人時間を過ごすなんて裏技も
便利機能
広々空間やシートアレンジ以外にも、ミニバンならではの便利機能がたくさんあります。
筆者が最も重宝しているのがスライドドアです。多くのミニバンに装備されていて、狭い駐車場などでもドアを全開にできる点がポイントです。
特に、チャイルドシートやジュニアシートなど、自分で乗り降りできない子をサポートするとき、ドアを全開にできるため、サポートする側の大人が非常に楽です。
また、流行りのSVUなどと比べると、ドアの開口部が低く作られているため、大きい子であれば自分で乗り降りができます。

子供が勝手にドアを開けてしまっても、隣の車や建物に当たらないところも嬉しい点です
他にも、子育て世代に嬉しい機能が満載ですので、購入前に試乗車や展示車を見て、検討中の車種がどのような機能を備えているか確認してみましょう!!
後悔しないミニバン選びのチェックポイント5つ
ここで、ミニバン選びで後悔しないために確認しておきたい4つのポイントを解説します。このチェックポイントを参考に、ミニバンの必要性を確認してみてください。
① 家族構成とライフスタイルに合っているか
現在の家族構成(子供の人数や年齢)や、今後の家族計画などを考慮し、本当にミニバンが必要かどうかを検討しましょう。
例えば、夫婦 + 子供2人の4人家族でも、あまり多くの荷物を運ばない場合や、頻繁に子供を乗り降りさせない場合は、不要かもしれません。
一方、週末のレジャーや実家への帰省など、たくさんの荷物を乗せて移動する場合や、街乗りで買い物などに使用する場合、軽自動車やコンパクトカーではストレスを感じる場面もあります。
また、ミニバンと言えど、シートの座席数やアレンジの仕方、室内空間の広さや装備など、車種によって仕様は様々です。
例えば、コンパクトなミニバンを購入したけど「思っていたよりも荷物が載らない」「3列目のシートが狭くて乗れない」と言った声も聞きます。
ご自身のライフスタイルに合わせて、ミニバンを選択すべきか、どのミニバンを選択すべきかを検討するのが重要です。
② 安全性能は十分か
ミニバン構造上、どうしても箱型の車種が多いため、ワゴンタイプやSUVなどと比べると衝突安全性は低い傾向にあります。
ミニバンを選択される方の多くは、家族を乗せることが多く、ミニバンの安全性に不安を持たれる方もいるようです。
ですが、最近では「衝突被害軽減ブレーキ」や「車線逸脱警報」など、安全運転をサポートする機能が充実している車種もあります。安全性の面でも後悔がないよう、検討中している車種の安全装備は必ず確認しましょう。

最近ではほとんどの車種に搭載されていますが、チャイルドシート等を使用する場合は、ISOFIX対応の有無も重要なポイントです
③ 燃費と維持費は許容範囲内か
後悔するポイントでお伝えした通り、燃費や購入後の維持費は重要な問題です。
最近のミニバンは、ハイブリッド技術やアイドリングストップ機能の搭載、車体の軽量化が進み、燃費性能が向上しているモデルも増えてきていますが。カタログ燃費だけでなく、実際に使用する環境での実燃費も比較して、自分の使用状況に合ったモデルを選ぶことが重要です。
また、自動車税や車検費用、保険料なども含めた年間の維持費についても概算をしておきましょう。
後悔ポイントでお伝えした通り、一般的にミニバンの維持費は高めになる傾向があります。購入時の価格だけでなく、購入後の維持費(自動車税、車検費用、任意保険代 など)をしっかり確認した上で購入計画を立てましょう。
④ 試乗して乗り心地や運転のしやすさを確認
運転の快適性で後悔しないためにも、販売店の試乗を活用し実際に運転をしてみて、運転感覚や乗り心地を確認しておきましょう。
試乗だけで判断できない方は、レンタカーを活用してじっくり試すのも良いと思います!!
また、最近のミニバンには、車の周辺を映像で見れる「全方位モニター」や駐車が苦手な方のための「駐車支援機能」など、ミニバンユーザーの不安を解消してくれる機能が搭載されている車種も多いです。
試乗する際は、こうした運転サポート機能の有無や使い勝手も確かめておきましょう。
家族構成別おすすめミニバン
どの車種を選べば良いかわからない方のために、家族構成別におすすめのミニバンをいくつかご紹介します。
※筆者の主観もあるため参考程度に
夫婦+子供1人 または 2人の場合
トヨタの「シエンタ」やホンダの「フリード」などのコンパクトミニバンがおすすめです。
車のサイズもコンパクトで小回りが利くので運転もしやすく、狭い道や狭い駐車場でもストレスなく使えるため普段使いに便利です。
子供が2人までであれば、コンパクトミニバンが最も使いやすいと筆者は考えています。
また、3列目を格納すれば荷室も確保できますし、3列目をなくして荷室を広くしたモデルもありますので、旅行や帰省する際の荷物も楽々積み込めます!!

妻がフリードを所有していますが、買い物や保育園の送迎にとても便利です
夫婦+子供3人以上の場合
子供が3人以上の場合は常に3列目シートを使用することになりますので、トヨタの「ノア/ヴォクシー」やホンダの「ステップワゴン」、日産の「セレナ」など、ミドルサイズミニバンがおすすめです。
ミドルサイズであれば、3列目もゆったりと座れる空間が確保されていて、さらに3列目を出した状態でも荷物をたくさん詰める荷室が搭載されているためおすすめです。
フルサイズミニバンと呼ばれるトヨタのアルファード/ヴェルファイアもありますが、ここ最近は高級車志向で購入価格が高めであることや、維持費も高いことから、子育て世代にはあまりおすすめではないです。
(せっかくの高級車が泥や砂だらになったら悲しいですしね・・・小声)
ミニバン以外の選択肢
ここまでミニバンについてお伝えしましたが、筆者は必ずしもミニバンだけがファミリーカーではないと考えています。
最後に、ミニバン以外にもファミリーカーとして魅力的な選択肢があることをお伝えれきればと思います。
SUV
ミニバンよりも悪路走破性が高いため、アウトドアやレジャーで利用することが多い方はおすすめ。
最近では、都会的なデザインのモデルも多く、街乗りなどの普段使いにも適していますし、トランクには荷物も多く乗せることが可能です。

ステーションワゴン
セダンやスポーツカーに近い走行性のを持ちながら、ミニバン並みの積載性を合わせ持つのが特徴。長距離ドライブを快適に楽しみたい方や、スポーティな走りも重視したい方におすすめです。

コンパクトカー
コンパクトなサイズ感で小回りが利き運転しやすいのが特徴。また、燃費も良く維持費を抑え得られるため、購入後のメンテナンスコストを抑えたい方におすすめです。
ミニバンほどの広さは必要ないけれど、ある程度の乗車スペースや荷室が欲しい、維持費も抑えたいという方におすすめです。

軽自動車
軽自動車は、経済性と取り回しの良さが魅力です。車両価格、維持費ともに安く、近場での移動が多い方や普段の乗車人数が少ない方は、経済的な負担を抑えつつ日々の移動を快適にする有力な選択肢と言えます。

まとめ
この記事では、ミニバン購入で後悔しがちなポイントと、後悔しないための賢い選び方を解説しました。
ミニバンは、広い室内空間や便利な機能など、ファミリーカーとして多くの魅力を持つ一方で、燃費の悪さや運転のしにくさ、維持費の問題などでデメリットも持ち合わせています。
購入を検討する際には、ご自身の家族構成やライフスタイル、予算などを総合的に考慮し、本当にミニバンが必要かどうか、必要であればどのミニバンが最適か、慎重に判断することが重要です。

皆様の車選びの参考になれば幸いです
ミニバンの洗車でお困りではないですか?ミニバンの洗車方法と注意点を、以下の記事で解説しています。
丁寧に洗車をしてあげることで、きっと愛車への愛着も湧いてくるはずです!
ぜひご覧ください。
>> ミニバンの洗車方法と注意点